前回までは1つのローソク足または複数のローソク足の組み合わせから、相場の上昇・下落を読む方法について話してきました。
今回は個々のローソク足ではなく、チャート全体の動きを見ながら相場の上昇・下落トレンドを掴む方法について話していきます。これが出来るようになると、投資を行う上で非常に役に立ちます。
うーん。いまいちピンとこないけどどんな方法でチャートの動きを見ていくの?
あ、たまにツイッターとかでそういう画像を挙げてる人を見かける!
こういうのっていかにも専門的で自分にはできなさそうだって思ってたんだよね。
それでは、早速いきましょう。
トレンドライン
まずは、基本的な知識としてトレンドラインについて簡単に話します。
よくチャートでトレンドって言葉を見るけどそもそもトレンドって何?
価格がどんどん上昇している時は「上昇トレンド」と言い、反対に下落している時は「下落トレンド」、価格があまり動かず停滞しているときは「横ばいトレンド」といった言い方をします。
トレンドラインは、相場の流れを線で表したもので以下の2つの種類があります。
②上値抵抗線(うわねていこうせん)
①下値支持線(したねしじせん)
下値支持線は下の図のようにチャートのトレンドにおいて、「安値と安値をつなぎながら引く直線」のことです。
トレンドライン1本で相場を読む場合、相場の上昇トレンド時にこの「下値支持線」を引いていきます。
②上値抵抗線(うわねていこうせん)
上値抵抗線は下の図のようにチャートのトレンドにおいて、「高値と高値をつなぎながら引く直線」のことです。
トレンドライン1本で相場を読む場合、相場の下落トレンド時にこの「上値抵抗線」を引いていきます。
【実践】1本のトレンドラインで売買のタイミングを掴む!
現在の相場が上昇トレンドもしくは下落トレンドの場合、1本のトレンドラインを引くことによって売買のタイミングを分析します。
それでは実際にトレンドラインを1本引いて、トレンドが変わる瞬間、すなわち絶好の売買のタイミングについて見ていきましょう。
①下落トレンド→上昇トレンドへと変わるサイン
(※図の青点線は現在の価格を表している線なので特に気にする必要はありません。分かりづらくてすみません。。笑)
下落トレンドでは天井となる価格から、上値抵抗線を1本引きます。
そして図のようにその上値抵抗線をローソク足が越えた場合、その後下落トレンドから上昇トレンドへと転換することが期待できます。
そのため、上値抵抗線を超える辺りが絶好の「買いポイント」だと言えます。
②上昇トレンド→下落トレンドへと変わるサイン
上昇トレンドでは底値となる価格から、下値支持線を1本引きます。
図のように、下値支持線をローソク足が下回ったら、その後上昇トレンドから下落トレンドへと一転することが危惧されるため、注意が必要です。
そのため、下値支持線を下回る辺りが絶好の「売りポイント」ということになります。
【実践】2本のトレンドラインで売買のタイミングを掴む!
現在の相場が上昇トレンドもしくは下落トレンドの場合、先ほど話したように1本のトレンドラインを引くことによって売買のタイミングを分析します。
これに対して現在の相場が上がったり下がったりを繰り返して、一定の価格帯から大きく動かずに保ちあっている場合、2本のトレンドラインを引くことで売買のタイミングを分析していきます。
まず、「買いタイミング」の型は以下の3つです。
②上昇ペナント型
③上昇ウエッジ型
①上昇三角型(買いタイミング)
この型の見た目の特徴は「上昇抵抗線がほとんど水平であり、下値支持線が右肩上がりに上昇していること」です。
この場合、図のように上値抵抗線を突き抜ければ一気に価格の上昇が期待できます。
②上昇ペナント型(買いタイミング)
この型の特徴は、「上値抵抗線が右下がり、下値支持線が右上がりであること」です。
この型も先ほどと同様、上値抵抗線を越えれば、その後上昇トレンドへと入っていくことが期待できます。
③上昇ウエッジ型(買いタイミング)
この型の特徴は、「価格がある程度で保ちあいながらも、上値抵抗線と下値支持線が緩やかに右下がりであること」です。
この型の場合も、上値抵抗線を突き抜ければ、その後上昇トレンドへと突入する可能性が高いと言えます。
次は、先ほどの買いタイミングの型とは反対に、2本のトレンドラインによる「売りタイミングの型」について話します。
売りタイミングの型は、先ほどの買いタイミングの型の逆で考えればいいので簡単です。
では、いきましょう。
②下降ペナント型
③下降ウエッジ型
①下降三角型(売りタイミング)
「下降三角型」の特徴は、「下値支持線がほとんど水平で、上値抵抗線が右下がりであること」です。
この型では、下値支持線を下回ると、その後下落トレンドへと入ってしまう可能性が高いため、チャート上「売りタイミング」だと言えます。
②下降ペナント型(売りタイミング)
この型の特徴は「上昇抵抗線が右下がり、下値支持線が右上がりであること」です。
ん、でもそれなら上昇ペナント型とほとんど同じじゃない?
ポイントとしては、上昇ペナント型は上昇トレンド中の休憩として現れやすく、下降ペナント型は下落トレンド中の休憩として現れやすいといった違いです。
上昇ペナント型では、上値抵抗線を越えたら上昇トレンドに入る(買い)サインですが、下降ペナント型では下値支持線を下回ると下降トレンドに入る(売り)サインになります。
③下降ウエッジ型(売りタイミング)
そして売りタイミングの最後の型は「下降ウエッジ型」と呼ばれ、「一定の価格帯を保ちながらも、上値抵抗線と下値支持線が緩やかに右上がりであること」が特徴です。
この型では、下値支持線を下回ると、その後下落トレンドへと入ってしまう可能性が高いです。そのため、下値支持線を下回る辺りが「売りタイミング」になります。
横ばいトレンドの場合
(※図の赤点線は現在の価格を表している線なので特に気にする必要はありません。分かりづらくてすみません。。笑)
横ばいトレンドは、価格が上昇するか下落するか迷っている相場、様子見相場であることを表しています。
このような横ばいトレンドの場合は、上値抵抗線と下値支持線をそれぞれ引きます。
図のように、上値抵抗線を越えた場合はその後上昇トレンドへ突入することが期待できますが、反対に下値支持線を下回った場合はその後下落トレンドに入ってしまう可能性が高いため注意が必要です。
まとめ
以上、今回はトレンドラインを引くことでチャート全体の流れを読む分析方法について解説してきました。
今回話した全ての型に共通しますが、一定の価格帯で上がったり下がったりを繰り返す、いわゆる「もみ合い(膠着状態)」が続けば続くほど、その後にやってくる上昇トレンド(下落トレンド)は大きなものになります。
今回解説したトレンドラインを引くことで売買のタイミングを掴む手法は、テクニカル分析(チャートを読んで投資する)でローソク足と並んで大切になる手法なのでしっかり頭に入れておきたいところです。
実際のチャートと照らし合わせながら見ていくと、より頭にも入りやすく効果的です。
ぜひ参考にしてみてください。
【注意】今回話したことも含めて、テクニカル分析は、100%の勝ちを保証する訳ではありませんので、利用する際はそれを踏まえて利用するようお願いします。
【追記】
この記事も含め、当サイトのテクニカル分析記事において利用しているチャートは「Zaif(ザイフ)」が提供しているものになります。
テクニカル分析においてチャートを利用する際、Zaifのチャートが色んな機能があり国内取引所の中で最も分析に優れていると思います。
(というよりもZaif以外でこういった分析ができるチャートを提供している国内取引所は知りません。本気で探せばあるかもしれませんが。)
ぜひ参考にしてみてください。