これまで、テクニカル分析(チャートを見て相場を読む投資手法)についての話で、「ローソク足を見て相場の流れを読むこと」、「トレンドラインを引いて相場の流れを読むこと」をテーマに話してきました。
今回は、テクニカル分析の別の手法である「移動平均線によって相場の流れ(トレンド)を読む」をテーマに話したいと思います。
これもテクニカル分析ではメチャクチャ大事な話なのでぜひ覚えて帰っていただきたいと思います。
では、早速いきましょう。
移動平均線ってなに?
そもそも移動平均線ってなに?
例えば、今日から遡って5日間の価格の平均値を結んだ線であれば「5日線」、25日間の価格の平均値を結んだ線であれば「25日線」というように呼びます。
5日線のような短期の平均線から100日線のような中長期の平均線まであります。
「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」
移動平均線を使った分析手法で、最も大切と言ってもいいのが
「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です。
ゴールデンクロスとデッドクロス…。な、なんだかすごそうだ。。。(ゴクリ)
具体的に見てみましょう。
ゴールデンクロス(絶好の買い場)
移動平均線の短期線(5日線など)が長期線(25日線など)を下から上へと突き抜けた時に、その後勢いに乗って価格がどんどん上昇していくことが期待できます。
この短期線が長期線を下から上へと突き抜ける部分のことを、絶好の買い場として「ゴールデンクロス(黄金の交差)」と呼びます。
ゴールデンクロス、デッドクロスの分析方法では、短期線は5日線、長期線では25日線を使うことが多いです。
絶好の買い場であり、その後の上昇トレンドに大きな期待ができる!
デッドクロス(絶好の売り場)
移動平均線における短期線が長期線を上から下に突き抜ける部分のことを、絶好の売り場として「デッドクロス(死の交差)」と呼びます。
ゴールデンクロスとは反対に、デッドクロスではそれ以降大きな下落トレンドへと入ってしまう可能性が高く、注意が必要です。
ここでも、短期線は5日線、長期線は25日線を使うことが一般的です。
絶好の売り場であり、その後大きな下落トレンドに入る可能性が高い!
グランビルの法則を知る!
テクニカル分析において、移動平均線と通貨価格の位置関係から「売買タイミング」を分析する方法もあります。
この分析方法のことを「グランビルの法則」と言います。
移動平均線と通貨価格の位置関係から分析するというのはイメージ的には下図のような感じです。
それでは、グランビルの法則における「買いサイン」と「売りサイン」についてそれぞれパターンを見ていきます。
グランビルの法則における買いサイン
買いサイン①
買いサインの1つ目は、通貨の現在価格が移動平均線を下から上に越えたら、それは「買いのタイミング」です。
特に移動平均線が横ばいから上向きへと動いていたら、さらに上昇トレンドへの期待は高まります。
買いサイン②
買いサインの2つ目は移動平均線が上昇している時に、通貨の価格がそれに反して下落し、移動平均線を下回った時です。
一見、その後下落トレンドに突入しそうですが、これは利益確定の大きな売りが一度入るだけで、その後再び上昇トレンドへと入る可能性が高いと言えます。
買いサイン③
買いサインの3つ目は、移動平均線が上昇中で、通貨の価格が下落して移動平均線へと交差しそうになるも、その後再度持ち直して価格が上昇し始めた時です。
これも先ほどの「買いサイン②」と同様に上昇基調において利益確定の大きな売りが入るも、その後再び上昇を続ける可能性が高いサインだと言えます。
買いサイン④
そして最後4つ目は、通貨の価格が移動平均線から大きく離れて下落してしまった時です。
これは、一見その後下落トレンドに入るような気がしますが、相場において「価格が下がりすぎ」だと判断され、強い買いが入ることで価格が再上昇する可能性が高いサインになります。
グランビルの法則における売りサイン
次にグランビルの法則における売りサインについて話していきます。
売りサイン①
売りサインの1つ目は、移動平均線が横ばい、もしくは下落し始めている時に、通貨の価格が移動平均線を上から下へと抜けるタイミングです。
ポイントは「移動平均線が横ばい、もしくは下落し始めている時」だということです。
移動平均線が上昇基調の場合は、「買いサイン②」で話したようにその後上昇トレンドへと入る可能性が高くなるので、きちんと区別しておくことが必要です。
売りサイン②
売りサインの2つ目は、移動平均線が下落基調の時に、通貨の価格が上昇して移動平均線を上回った後に再度下落して移動平均線を下回るタイミングです。
この場合も、その後下落トレンドが続く可能性が高いので「売りサイン」になります。
売りサイン③
売りサインの3つ目は、移動平均線が下落基調にある時、移動平均線の下で推移していた通貨の価格が上昇して平均線に近づくも、交差せずに再度下落してしまったタイミングです。
この場合も、その後下落トレンドが続いていく可能性が高いため、売りサインと言えます。
売りサイン④
そして最後は、移動平均線が上昇していて、その上で推移している通貨の価格が、移動平均線から大きく離れて上昇した場合、市場で「上がりすぎ」と判断して売りに入られて、再度大きく下落してしまう可能性が高いため、「売りサイン」だと言えます。
まとめ
以上、今回は移動平均線を用いて相場のトレンドを掴む手法について話してきました。
前回までの話(ローソク足やトレンドライン)と合わせて、テクニカル分析において非常に大切な手法になりますので、ぜひ頭に入れておきたいところになります。
【注意】今回話したことも含めて、テクニカル分析は、100%の勝ちを保証する訳ではありませんので、利用する際はそれを踏まえて利用するようお願いします。
【追記】
この記事も含め、当サイトのテクニカル分析記事において利用しているチャートは「Zaif(ザイフ)」が提供しているものになります。
テクニカル分析においてチャートを利用する際、Zaifのチャートが色んな機能があり国内取引所の中で最も分析に優れていると思います。
(というよりもZaif以外でこういった分析ができるチャートを提供している国内取引所は知りません。本気で探せばあるかもしれませんが。)
ぜひ参考にしてみてください。