こんにちは。管理人と申します。
昨日、新しい仮想通貨として、みずほ銀行・ゆうちょ銀行・数十行の地銀が共同して
「Jコイン」
の発行を検討しているとのニュースが報道されました。
(新仮想通貨「Jコイン」 みずほ・ゆうちょ・地銀が連合 個人同士や企業との決済、便利に)
これを受けて色々と思うことがあったので、今回はそれについて書きたいと思います。
Jコインってなに?
そもそも、「Jコインってなんだ?」って話ですが、発表によるとJコインは、ビットコインのような価格の変動がなく、日本円と等価で、主に国内の決済用として使われる仮想通貨のようです。
以前、三菱東京UFJ銀行がMUFJコインと言われる独自の仮想通貨の発行を検討していることで一時話題になりましたが、今回は、そういった一つの銀行だけではなく、みずほ、ゆうちょ、他地銀数十行が共同して2020年を目途に、「Jコイン」の開発に取り組んでいくとのことです。
Jコインを発行することで得られる銀行側のメリット
Jコインを発行することで銀行側にどのようなメリットがあるかはまだハッキリ分かりませんが、順当に考えると利用手数料(決済手数料&送金手数料)で儲けていく仕組みでしょう。
まずは、銀行各自がそれぞれの「Jコインカード」や「Jコインウォレットアプリ」を発行し、それらを銀行口座と紐づけして、いつでもカードやウォレットにチャージでき、カードやスマホさえあればどこでも決済・送金できる仕組みを整え、決済や送金するごとに手数料を取っていく感じだと思われます。
スマホ決済に関しては「APPLE PAY」の決済手数料の仕組みを意識しているように見えますね。
リップルと銀行が結びついた話とどう違う?
「銀行」
「仮想通貨」
今すでに仮想通貨をやっている人は、この2つのワードが並んだ時に、頭に浮かんでくるものとして「リップル(XRP)」があると思います。
今回の銀行連合の一員として話に出ている「みずほ」や「ゆうちょ」は以前にリップルネットワークに参加することを表明しています。
リップルを保有している人たちは、将来「XRP」が銀行の送金において利用されることを期待している人が多いと思います。
で、今回新しく「Jコイン」が発行されることで、「XRP」はもう蚊帳の外に追い出されるのかと思ってしまう人がもしかしたらいるかもしれませんが、(いなかったらすみません)
・銀行がリップルネットワークと手を組むの(XRPを利用する)は「主に国際送金にかかるコストを下げるため」
・銀行がJコインを発行するのは「利用手数料で儲けるため」
という目的の違いがありますので、リップルネットワークとの件は一切気にしなくても大丈夫です。
XRPは世界中の銀行で利用できるので、銀行間の国際送金におけるブリッジ通貨として機能しますが、Jコインはあくまで国内銀行のみ、海外の銀行は利用しないので銀行間の国際送金におけるブリッジ通貨としては機能しません。
Jコインって普及するの?
「Jコインって価格変動もしないし、それなら円で持っておけばいいじゃん。発行したところで普及しないんじゃない?」
と思うかもしれませんが、個人的には間違いなく普及すると思います。(発行後すぐにとはいきませんが)
厳密に言えば、「普及する」というようりも「(銀行が)普及させる」と言った方が正しいかもしれません。
銀行って一般的に「預金」と「融資」、すなわち安い金利で預けてもらって、それを元手に高い金利で別の人に貸すことで儲けているというイメージがあると思います。
ただ、このように金利差で儲けていくという銀行のスタイルはもう昔の話で、今は以前のように銀行が融資で大きく儲けられる時代ではないです。
追い打ちをかけるかのごとく、昨年、金融庁は「このままいけば2025年には今ある銀行の過半数は赤字になる」との発表を行っているくらいです。
こういった背景を踏まえた上で、銀行が今、新しい収益源として一番力を入れているのが「手数料ビジネス」です。現に、すでに手数料ビジネスは銀行収益の大きな柱になっています。
特に今、銀行間で最も競争が激しいのは「投資信託・保険・カード」です。投資信託手数料、保険手数料、クレジットカード利用手数料ですね。最近はここに「デビットカード」も参戦してきましたが。
銀行は今、保険会社、証券会社としての顔も合わせ持っています。
ちなみに商品によりますが、今、住宅ローンで2000万融資して10年間で銀行に入る利息は約150万円ですが、投信だと2000万売れば1年間で約100~120万、2000万の保険商品なら一回の販売で100万ほど入ります。
銀行が手数料ビジネスに力を入れている理由が分かると思います。
以前は、「銀行で投資商品?」「銀行で保険?」といった感じでしたが、結局売れるんですね。
なぜなら銀行には「圧倒的信用力」と「膨大な顧客情報」があるから。
銀行が扱っているってだけで信用されます。保険でも投信でも基本的に売れます。
「銀行が怪しいもの、危ないものを売りつけてくるわけがない」という認識が多くの人の中にあります。(最近は警戒する人も増えてきましたがw)
加えて銀行は、他の会社が喉から手が出るように欲しい顧客情報を持っています。
- 「預金残高」
- 「勤務先」
- 「家族構成」
- 「年収(融資先の場合)」
- 「融資情報(融資先の場合)」
加えて口座を持っている人たち全員が顧客になるため、その顧客数は膨大です。
このように
「銀行ならではの信用力があり、たくさんの顧客を持っている、かつ、顧客情報の質も高い」
こんな武器を持っていて売れない訳がないんですね。だから保険でも投信でも、推したい商品があれば基本的に何でも効率よく売ることができます。
そして、新しい手数料ビジネス先として目をつけた「Jコイン」も同じように、こういった銀行の持つ強みを背景に、銀行が本気で力を入れることで普及させることができます。(特にJコインの場合、色んな銀行が共同して作り出すものだけにより信頼され、普及させやすい)
他の仮想通貨への影響
「Jコインが発行されると他の仮想通貨にどのような影響を与えるか」
これについては、仮想通貨全体としては間違いなくプラスになると思ってます。
今まで仮想通貨は怪しいと思っていた層でも、「銀行が発行する仮想通貨であれば」ということでJコインを入手する人はいます。というよりも先ほど話したように銀行が力を入れて普及させてきます。
もちろん銀行側のメリットだけでなく、決済手段としての便利さやJコイン口座同士であれば、他行間の送金であっても送金手数料が抑えられるといった、利用者にとってのメリットも期待できます。
Jコインが発行され、今まで「仮想通貨」自体に不信感を持っていた層を新しく取り込めることは、そういった層へ仮想通貨自体に興味を持たせる一つのきっかけにもなり得ます。
その中の一部だけでもビットコインを始めとした他の仮想通貨を購入させることにつながれば、仮想通貨全体としては大きなプラスになります。
特に日本は世界でも既にトップクラスのビットコイン取引高を誇っているビットコイン大国ですからね。
まとめ
以上、思うことをつらつらと書いてきました。
まだまだ先のことなので今のうちからどうこう話すことでもないんですが、こういった銀行の動きが出てくることは凄くいいことだと思ってます。
今回話したことはあくまで私見になりますので、「いや違うだろう」と思う人ももちろんいると思います。
それでもココまで毎回読んでくれる読者さんたちには感謝です。<(_ _)>
あと嬉しくも、最近ツイッターでこういった記事などをリツイートしてくれる方のおかげで、フォローしてくださる方がちょくちょく増えてきています。加えてお礼申し上げます。<(_ _)>
今回の記事についてもそうなんですが、記事で書くこと、ツイッターで書くこと、みなさんそれぞれの考え方があるので、自分と違うなって方も、共感したって方もぜひツイッターでコメントでも頂ければ幸いです。色んな人の色んな考え方を知るのは、ほんとに貴重なことなので。
それにしても、Jコインが発行された時の銀行員に課せられるノルマを考えると震えてきます。ほんとに容赦ないですからね。。まじで。。。いや。まじで。。。(笑)