こんにちは。管理人です。

銀行員時代にたくさんのお客さんの資産の管理・アドバイスを行ってたんですが、その中で

「分散投資と集中投資はどっちがいいですか?」

という質問を受けることがよくありました。これは人それぞれ資産運用の目的・方法によって答えが変わります。


その中で今回タイトルにもあるように私が

「仮想通貨において絶対に分散投資をしない理由」

について話したいと思います。

分散投資のメリット

「分散投資」というのは皆さんご存知だと思いますが、ひとことで言えば

「投資対象を分散して投資をすることで、一つのモノが下落して投資資金が大きく減ってしまうリスクを抑える投資方法のこと」

ですね。実際に、投資対象を何種類もの仮想通貨に分けて分散投資を行っている人は多いと思います。


分散投資のメリットは、何と言っても、集中投資に比べて「リスクを抑えられる」ことです。


「卵は一つのかごに盛るな」という投資における有名な格言がありますが、これは「一つのかごに卵を盛ると、落とした時に全ての卵が割れてしまう」という、まさに

「集中投資の危険性」「分散投資の大切さ」を端的に表した言葉です。


このように分散投資は、昔から万が一の場合のリスクヘッジとして有効な投資方法であり、

「投資の鉄則」

とまで言われることも多いです。

それでも分散投資は仮想通貨でいらないと考える

上で話したように、分散投資はいわゆる「投資の鉄則」かもしれませんが

それでも

「仮想通貨で分散投資はいらない」

と考えてます。

第一の理由

まず一つ目の理由は

「たくさんの投資対象を一時に管理できないこと」


分散投資は、一度にたくさんの投資対象を管理することになります。

多くても投資対象は、せいぜい5種類程度まででないと管理できません。

5種類でもちょっと多いかなと思ってるくらいです。私の場合は基本的に2銘柄までで、まれに3銘柄ですね。


特にほとんどの人はテクニカル分析(チャート分析による投資)ではなく、ファンダメンタルズ分析寄り(投資対象の割安感や将来性を期待する投資)で投資を行っているでしょうからなおさらです。

ファンダメンタルズ投資では情報が全てです。常にそれぞれの仮想通貨の最新情報を追わなくてはいけません。いかに新鮮な情報を得てそれをもとに動けるかがカギになります。

ただし投資対象が増えるほど情報を追うのが難しくなり、中途半端にそれぞれの情報を追うことになってしまいます。情報の遅れはファンダメンタルズ投資において致命的です。


第二の理由

二つ目の理由は

「集中投資に比べて儲からないこと」

分散投資では、集中投資に比べて大きく儲けにくくなります。

投資対象の一つが下落した際にダメージが少ない反面、上昇した際は儲けが少ないです。

現にたくさんの株式や不動産等に分散投資する「投資信託」は、株投資やFX投資に比べて期待できるリターンが少ないです。


ここで一つ考えてほしいのが、株でもFXでも投資信託でもなく

「なぜ仮想通貨投資を行っているか」

ということです。


おそらくほとんどの人は、仮想通貨投資で大きく儲けたいと思って行っているはずです。


仮想通貨は他の投資を圧倒するボラティリティの高さ(価格変動の激しさ)があります。


1日に20~30%の価格変動はザラにあり、通貨によっては1日で100%以上の変動をすることさえあります。

このように高いボラティリティの元で、大きく儲けるために、大きなリスクを承知で、損をしても許容できる資産を元手に、この仮想通貨投資を行っています。

話を戻しますが、分散投資は下落した際のリスクが少ない分、上昇した際の旨みも少ない投資方法です。

つまり、分散投資は、その性質上「資産を築く投資」ではなく「資産を守る投資」になります。

大きく儲ける以上に、「元手ができるだけ減らないように、大きく損をしないように」という性質の投資です。


ただ、仮想通貨を行う時点で「守る投資」なんていらないんですよね。

仮想通貨投資自体が、大きく儲けるためにすでにリスクを大きく取っている性質のモノなので、数ある投資の中からこの投資を選んでいる時点で、「資産を大きく築くこと」以外は一切考える必要が無いからです。

大きく儲けるためには、集中投資に比べて期待できるリターンが少なくなる「分散投資」は非効率なんですね。

別に最悪投資した分が無くなったとしても、「また稼げばいっか」くらいの気持ちでいれると仮想通貨を行う上でかなり楽になりますし、冷静に頭を働かせて動くことができます。

かの天才も言ってます。



第三の理由

そして最後、分散投資を行わない三つ目の理由は、

「考えなくなること」

です。


正直これが、分散投資における最も大きな弊害だと思ってます。

「考えなくなること」と言われてもピンとこないかもしれませんが、分散投資を行うということは、

「どの銘柄(通貨)が上がるのか分からないから、上がりそうなものにとりあえず色々投資しておこう」という気持ちの表れでもあります。

つまり、分散投資によって、投資の対象を絞るための思考(大きく儲けるためには、その中からどこに投資するべきかという思考)を止めてしまうことになります。


一番怖いのはこういった「思考の中断が習慣化してしまうこと」です。


というのも、こういった思考の中断が習慣化してくると、全てにおいて妥協してきます。

「全ての銘柄(通貨)の情報を追うのめんどくさいな。分散してるから大丈夫でしょ。」
「爆上がり(爆下がり)してるけど、分散してるし売買するの面倒だからほっとこう。」
「〇〇の仮想通貨が人気あるから、よく知らんけどとりあえずちょっと入れとこう。」



集中投資を行うということは、数ある選択肢、情報の中から最も儲かるモノを、最も儲かると思うタイミングをしっかり考えた上で投資していくことです。


この思考の習慣が積み重ねとなり、投資における自分だけの経験値となって、失敗も成功もその後における糧になります。

そしてその糧は、仮想通貨以外に限らず、株を行うにしても、FXを行うにしても、色んなことに活きてきます。


投資の神様、ウォーレン・バフェットはこう言っています。

「分散投資はリスクヘッジではなく、無知に対するヘッジである」と。

(引用:managementartists.com

まとめ


以上の理由から、投資において私は(2~3銘柄を越える)分散投資は行っていません。

集中投資をやりたいものの、やっぱりちょっと不安な気持ちが拭いきれない人には、通貨をいくつか分散させるよりも、上がると思った、いくつかの仮想通貨の売買時期(タイミング)を分散して買うことをいつも勧めています。

この場合は投資対象を絞りながらも売買タイミングをずらすことでリスクを分散させることができます。

いわゆる「ドルコスト平均法」ですね。

上がると思った仮想通貨を片っ端から買うよりも、投資対象が絞れている分、管理もしやすいです。


人それぞれの投資スタイルがあるので正解は無いですが、「仮想通貨投資をそもそもなぜ自分は行っているのか」、本来の目的を見失わないためにも、分散投資を行う際は、自分に一度こう問いかけることが大切です。


自分は仮想通貨投資で


「資産を守りたいのか?」

それとも

「資産を築き上げたいのか?」