仮想通貨を入手したら次に考えることはその保管場所です。

少額なら全て一つの取引所に置きっぱなしにしておいても悪くはないですが、たくさんの仮想通貨を保有する人は、万が一のことを考えて色んな場所に資産を分散して保管しておきたいものです。

ネコくんネコくん

なるほど。でも、資産を分散させる方法ってどんな方法があるの?

資産を分散させる方法としては大きく以下の2つに分けられます。

  • 複数の取引所に資産を分けて保管する方法
  • ウォレットに保管する方法

ネコくんネコくん

なるほど、でもウォレットって何?

そうですね。今回はそのウォレットについての話になります。

「ウォレットって何?」って話から「ウォレットの種類やそれぞれの特徴等」についてまで話していきたいと思います。

では早速いきましょう。

ウォレット(wallet)とは?

ウォレット(wallet)は直訳すると「財布」です。

仮想通貨でいうウォレットというのは、「仮想通貨専用の財布」のことであり、ウォレットでは仮想通貨を保管することができます。

通常の財布に、長財布や折りたたみ財布、がま口財布など色んな財布があるように、ウォレットにも色んな種類のウォレットがあります。

具体的には大きく分けて全部で以下5種類のウォレットがあります。

  • ①ウェブウォレット(ネット上の財布)
  • ②デスクトップウォレット(パソコン上の財布)
  • ③モバイルウォレット(スマホ上の財布)
  • ④ペーパーウォレット(紙に印刷した財布)
  • ⑤ハードウェアウォレット(仮想通貨保管専用の端末型財布)

以下それらの特徴について見ていきましょう。

①ウェブウォレット

ウェブウォレットとは?

ウェブウォレットというのは、簡単に言えば「ネット上にある財布」です。

ネット上にあるため、ネットにつながる環境があれば、どんな場所、コンピュータ、スマホからでも自分の資産を管理することができます。

ウェブウォレットのメリット

①ネット環境さえあればどこからでも管理できて便利

ウェブウォレットの最大の特徴かつメリットと言えるのは、

「ネット環境さえあれば、どんな場所、コンピュータからも自分の資産へアクセスできること」

です。

通常は自宅のデスクトップパソコンで管理をしていて、外出先ではノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどで管理するといったことが可能です。

こういった利便性の高さというのは、ウェブウォレットの大きな強みと言えます。

②秘密鍵をサイト管理者に預けているため、秘密鍵を紛失してしまうリスクがない

また、ウォレットを始め仮想通貨を保管する上では「秘密鍵」というパスワードが存在しています。

この秘密鍵というのは、自分の財布を自在に管理することができるマスターキーのようなものです。

自分のウォレットの秘密鍵が他人に知られれば自分の資産は簡単に盗まれてしまうくらい大切なものです。

ウェブウォレットでは基本的にこの秘密鍵を自分では管理せず、サイト管理をする主体に預けることになります。

そのため、自分で管理していたつもりの秘密鍵が分からなくなってしまったりするリスクや、秘密鍵を管理する手間などを抑えることができます。

ウェブウォレットのデメリット

ネット上にあるため、ハッキングの対象として狙われやすい

ウェブウォレットのデメリットとして

「ネット上にあるため、他のウォレットに比べてハッキング対象として狙われやすいこと」

が挙げられます。

ネット上にあるとうことは、誰でもアクセスができる環境にあるということなので、他のウォレットに比べるとどうしてもセキュリティは落ちます。

ウェブウォレットは、ウォレット内の自己資産を自在に管理できるマスターキーとなる秘密鍵をウォレット運営主体に預けており、ネット上に存在するという性質から、実質的にその性質は取引所に仮想通貨を保管するのと大きく変わらないと言えます。

デスクトップウォレット

デスクトップウォレットとは?

デスクトップウォレットというのは、「パソコン上にある財布」のことで、秘密鍵を他者へ預けるのではなくて、自分のパソコン上で秘密鍵を管理するタイプのウォレットになります。

デスクトップウォレットのメリット

ウェブウォレットに比べるとハッキングリスクは低い

ネット上にあるウェブウォレットに比べると、個人のパソコン上で秘密鍵を管理するデスクトップウォレットはハッキングの対象になりにくく、ハッキングに対するリスクは低いと言えます。

ただし、自分のパソコンがウイルスに感染し、秘密鍵情報が流出してしまうといったリスクが存在します。

ウイルス自体は常に進化しており、今後デスクトップウォレットを秘密鍵情報を狙った専用のウイルスなども開発されてしまう危険性もあります。ハッキングリスク自体は比較的低いですが、こういったリスクもあるため、必ずしも自分のパソコン上で管理しているから安全だとは言い切れず、注意が必要です。

デスクトップウォレットのデメリット

復元用パスワードの紛失リスクがある

デスクトップウォレットはウェブウォレットのように秘密鍵の管理を他者へ任せるのではなく、自分で秘密鍵と復元用のパスワード(ウォレットを復元するためのパスワード)を管理することになります。

復元用パスワードはウォレットソフトが入ったパソコンが壊れてしまった時に、別のパソコンにウォレットを復旧するための専用パスワードのことです。

万が一パソコンが壊れてしまい、再度別のパソコンでウォレットを復元しようとした時に、復元用パスワードが分からなくなったといったことになると、ウォレットが復元できず、自己資産へのアクセスができなくなってしまうというリスクがあります。

モバイルウォレット

モバイルウォレットとは?

モバイルウォレットは、前述のデスクトップウォレットと性質が似ており、デスクトップウォレットが「パソコン上の財布」であるのに対して、モバイルウォレットは「スマホ上の財布」になります。

モバイルウォレットのメリット

①ウェブウォレットに比べるとハッキングリスクが低い

これはデスクトップウォレットと同じですが、ネット上にあるウェブウォレットに比べると、個人の端末上で秘密鍵を管理するタイプのウォレットはハッキングの対象になりにくく、ハッキングリスクは比較的低いと言えます。

②パソコンに比べるとスマホのウイルス感染リスクは低い

また、スマホはパソコンに比べてウイルス感染されにくいため、パソコンよりもウイルス感染リスクは低いと言えます。

ただし、デスクトップウォレット同様、今後モバイルウォレット専用のウイルスが活発的に開発されていく可能性はあるため、必ずしも安心とは言い切れません。

モバイルウォレットのデメリット

①復元用パスワードの紛失リスクがある

モバイルウォレットはデスクトップウォレット同様、自分で秘密鍵と復元用パスワードを管理することになります。

そのため、万が一スマホを紛失したり壊したりしてしまい、かつ復元用パスワードも忘れてしまったといった場合、モバイルウォレット内に保管していた自己資産が取り出せなくなるというリスクがあります。

②スマホ自体の紛失によりモバイルウォレットへアクセスされてしまうリスクがある

また、スマホはパソコンと違って小型であるため、紛失してしまう可能性も大いにあります。

スマホを紛失してしまうと、拾った人がスマホ内にあるモバイルウォレットから仮想通貨を盗んでしまうというリスクもあります。

第三者がスマホ内のコンテンツにアクセスできないように、自分のスマホに認証パスワードを設定しておくことも大切です。

ペーパーウォレット

ペーパーウォレットとは?

ペーパーウォレットというのは、紙などに秘密鍵を印刷することでビットコインを保管するタイプのウォレットになります。
簡単に言えば「紙に印刷した財布」です。

ペーパーウォレットは基本的に、長期でビットコインを保管することを意図して使われます。

というのは、一度ペーパーウォレットに預けたビットコインを引き出した場合、そのペーパーウォレットは使えなくなるものであり、また、ペーパーウォレットの作成には通常のウォレットに保管するよりもひと手間かかり、頻繁に取引をしたり資産を動かしたりする場合には不向きだと言えるからです。

ペーパーウォレットのメリット

最もハッキングリスクが低い保管方法の一つ

ペーパーウォレットはその名の通り、紙などに秘密鍵を印刷して完全にネットから遮断された状態で保管するため、ハッキングすること自体不可能です。

そのため、ペーパーウォレットは全てのウォレットの中で最もハッキングリスクが低い保管方法の一つだと言えます。

ペーパーウォレットのデメリット

①紛失するリスクがある

ペーパーウォレットのデメリットとして

「秘密鍵を印刷した紙(情報)を紛失してしまうリスク」

が挙げられます。

ペーパーウォレットでは秘密鍵が印刷された紙を無くしてしまい、別に控えなども取っていなかった場合、二度と資産を取り戻すことは出来ません。

そのため、紛失してしまわないようにしっかり管理することが非常に大切です。

②他人に見られてはいけない

また、ペーパーウォレットに印刷された情報は他の誰にも見られてはいけません。

ペーパーウォレットは、印刷された情報さえ見ることができれば、簡単にウォレットからお金を引き出すことができます。

そのため、他人に絶対に見られないように、ペーパーウォレットの保管には十分気を付けなければいけません。

③短期保管には向かない

また、ペーパーウォレットは

すぐに資産を動かしたり、取引を行ったりする場合(短期保管の場合)には向かないです。

ペーパーウォレットは一度お金をそこから引き出せば、同じウォレットは使えなくなります。また、ペーパーウォレットを作成するのは、他のウォレットへの保管に比べてひと手間かかるため、資産を短期で動かす場合には向かない保管方法だと言えます。

ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットとは?

ハードウェアウォレットは、ひとことで言えば「仮想通貨保管専用の端末型財布」です。
以下のような機械(端末)を使って仮想通貨を保管します。

仮想通貨を保管するためだけに作られた機械(端末)を使って仮想通貨を保管するため、安全に仮想通貨を保管できるのが特徴です。

ハードウェアウォレットのメリット

最もセキュリティが高い保管方法の一つ

ハードウェアウォレットは、仮想通貨を保管するために作られた端末だけあって、最も安全に仮想通貨を保管することができると言っても過言ではありません。

これはハードウェアウォレットの持つ最大の強みになります。

ハードウェアウォレットのデメリット

①端末の購入が必要

まずデメリットとして

「端末を購入する必要があること」

が挙げられます。

端末はモノにもよりますが、大体1万円~2万円程度かかります。

②管理に手間がかかる

ハードウェアウォレットは、都度、端末の更新などを行う必要が出てきます。

端末の更新後、仕様が大きく変わって使い方がよく分からなくなったといったことや、更新後に一度復旧作業をする必要があるといった手間がかかることがあります。

③復旧パスの管理を怠ると試算を失う可能性がある

ハードウェアウォレットは機械なので、故障したり紛失したりしてしまうリスクがあります。

そういった場合、新しい端末で復旧作業を行う必要がありますが、万が一復旧パスワードが分からなくなっていた場合は預けていた資産を二度と取り戻すことができなくなります。

そのため他のウォレットと同様、しっかりと管理を行うことが大切です。

まとめ

以上、ビットコインを保管する場所としてウォレットについて、大きく5種類のウォレットの特徴とそのメリットデメリットについて話してきました。

ウォレットそれぞれに特徴があるため、どのウォレットが最も優れているか決めることは出来ません。セキュリティを高くすればその分手間ひまがかかったり、費用がかかったりもします。

すべてに共通して言える大切なことは

「資産を分散して保管すること」

です。

資産を一か所にまとめて保管することは万が一のことを考えて避けておくべきです。

ウォレットに保管するにしろ、取引所に保管するにしろ、この分散保管をしっかり意識しておきましょう。